浪人界隈でささやかれる1/3の法則(あるいは「2:6:2の法則」)をご存じですか?
成功する浪人生と、失敗する浪人生の割合を表現した法則です。
本記事では、この法則と、失敗しやすい浪人生の特徴を紹介します。
<特に読んで欲しい方>
- 浪人生
- 浪人も視野に入れている現役生
1/3の法則とは?
浪人生にまつわる1/3の法則とは、
「浪人生の1/3が成績が上がり、1/3は前年度と変わらず、1/3は成績が下がる」
というものです。
ほかにも「浪人2:6:2の法則」もあり、こちらは
「上位2割は成績が上がり、真ん中の6割は前年度と変わらず、下位2割は成績が下がる」
となります。

正確な数値が出ているわけではないので、どちらが正しいかは分かりませんが、いずれにしても成功する浪人生はほんの一握りであり、かつ少なくない浪人生が失敗していることが分かります。
実際、浪人クラスの同期たちはどんどん脱落していきました。

模試の度にクラスの成績優秀者10人が貼り出されるのですが、前期の貼りだし常連組のうち半数以上が、後期の貼りだしでは名前を見なくなりました。
現役で受かった友達の中には、「浪人すればよかった。」「一回浪人を経験してみたかった。」という人もいますが、浪人はできることならするべきではないし、自分なら絶対成績が上がると考えるのはいくら何でも甘すぎると思ってしまいます。
失敗する浪人生の共通点は?
失敗してしまう浪人生のうち、下位1/3、すなわち成績が下がってしまう浪人生に多い特徴を紹介します。
(※ 予備校に通っていた浪人生が対象です。)
①予備校の授業を切りまくる
5月あたりから、徐々に授業を切り始める生徒が現れ始めます。
特に
- 難しい
- 共通テストでしか使わない科目(例 医学部受験での国語)
- 講師が変わり者、嫌われている
といった授業が切られやすいです。
授業を切ってい人に理由を聞くと、大抵「あの授業は受けても意味がないから。」と言われます。
何をもって意味がないと判断しているのでしょうか。
私は切る人が多い授業も必ず出席していましたが、どの授業でも学びを得ることはできていました。
また、予備校のテキストはかなり計算して作られているようで、科目を飛び越えて内容がリンクしていることがあります。
国語の文章で出てきた内容が、英語の長文でも現れる…といった具合です。
すべての講義を受けることで、内容をより定着させることができます。

共通テストでしか使わない科目については、どうせ自分では勉強しません。むしろ授業時間だけ集中すればよいので、授業に出たほうが良いと思いますよ。

②フロホにたまる
駿台には、フロンティアホール(通称フロホ)という休憩室があります。(河合塾で言う「ラウンジ」)
通常、食事や軽く友達と話すために用いられる部屋ですが、フロホに長時間居座る人もいます。
フロホ民です。
残念ながら、フロホ民は多くが受験に失敗します。(断言)
私が在籍していたクラス(国立医学部コース)には10数人のフロホ民がいましたが、医学部に受かったのはたったひとりです。
残りは非医学部進学か、もう1浪することになりました。
他のクラスのフロホ民も、ほとんどが浪人に失敗したようでした。
もし、あなたが休憩室に長時間溜まっているようでしたら、かなり危険です。
1年を棒に振りたくなければ、メリハリをつけた生活を心がけましょう。
③予備校のテキストを活用しない
先ほど述べたように、予備校のテキストは計算されて作られています。
さらに、受験のプロたちが必要だと考える内容が詰まっているテキストのはずです。
せっかく授業に出て解説も聞いているのに、テキストを活用しないようでは……なんのための授業かわかりませんね。
(「テキストを活用しない」とは、「問題の解説を聞いて軽く復習するだけ」、「載っている自習問題を解かないで放置」のことです。)
私は浪人の1年間、数学、物理、化学は駿台のテキストだけで勉強しました。
青チャートも、名門の森も、化学標準問題精講も使っていません。
その代わり通常授業のテキストも講習で用いたテキストも4,5回解いてほぼ完ぺきに仕上げました。
どの教科も成績は伸びましたし、化学は得意科目になりました。
※予備校のテキストだけでよいと言っているわけではありません。私が伝えたいのは、「授業時間をかけているだけの価値がテキストにあるので、最大限活用しよう!」ということです。
私が数学と物理に関して駿台のテキストしかやらなかったのは、苦手科目ゆえに他に手を出すよりは駿テキだけを仕上げた方が良いと思ったからです。
もちろん、余裕のある人は、駿台のテキストに加えて他のテキストを用いて勉強することも良いでしょう。
なお、化学は駿台のテキストだけで充分だと思ったので他に何もやりませんでした。
④予習復習をしない
予備校では毎日授業があるので、予習復習にかなり時間がとられてしまいます。
予備校関係の勉強の他に、やりたい参考書があると、思うように時間が取れずにやきもきする気持ちはよく分かります。
しかし、
予習をしなければ、授業内容をしっかりと理解することができません。
復習をしなければ、授業内容を定着させることができません。
せっかく朝から夕方まで時間をかけて勉強するのですから、確実に身につけましょう。
⑤根拠のない自信がある

浪人生の中には、根拠のない自信を抱えている人たちがいます。
曰く、「もし国立医ダメでも、私立医なら受かるでしょ。」
もし実力がある浪人生が言っているのなら100歩、いや1000歩譲って理解はできますが、こういう舐めたことを言っている受験生は模試の校内貼り出しですら名前を見たことがありません。
………とはいえ、いくら成績が良くても、油断が過ぎますし、あまりにも傲慢な考えだとは思いますが。
曰く、「模試でB判取ったから受かる。」
そのB判定は、前期に取ったものでは?
前期の模試では、浪人生の成績はインフレしてしまうので、偏差値も判定も参考になりません。
また、B判定の合格率は60~80%ですが、裏を返せば20~40%不合格です。
5人中1人か2人落ちるということです。
この数字を見る限り、判定を安心材料にすることは不適切であると考えています。
実際に、いつもA判定をとっていたのに不合格だった友達は何人もいます。

曰く、「いけるいける。」
これだけはさっぱり理解できません。
しかし、1年間このように楽観的でいる人は、一定数いるものです。全員不合格でした。
もちろん、自信がないことは良くありません。自信がないと大切な時に本来の実力を発揮しにくいからです。
しかし、浪人生が持つ自信は、「これだけ勉強してきだんだ」という、自分の努力に基づいた自信であるべきだと思います。
⑥模試で受けない教科がある
模試の途中で帰ってしまう人がいますが、必ず必要な科目は受け終えて帰りましょう。
受けていない科目があると、模試結果を正確に分析できず、その後の勉強に役立てることができません。
また、入試に一番近い状態に身を置くことができるのが模試です。
適度な緊張感の中、長時間集中する練習は模試でのみ行うことができます。
いくら普段難しい問題を解くことができていても、本番で力を発揮できなければ意味がありませんからね。
なお、模試を受けないのは論外です。(と予備校の先生が言っていました。)
⑦自己流に走る
予備校の講師たちからは、勉強法(特に予習復習の方法)が提示されます。
その方法は、講師の授業方法に即したものになっていますので、授業に関する勉強は講師が指定した通りの勉強法が最適だと思われます。
しかし、自己流に走ってしまう浪人生はかなり多いようです。
自己流に走ったあげく、質問に行って怒られたからもう質問にはいかない、と言っている浪人生もいました。
ただ、講師の言うことを妄信して、講師の言うことしかやらないというのも、受験勉強としてあまり宜しくありません。
「言われたことしかやらない人」、「言われたことすらやらない人」、「言われたこと以上のことをする人」のうち誰が一番実力が上がると思いますか?
勉強の仕方一つとっても、工夫が大切です。
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この記事を読んでいるあなたが浪人生なら、自分に当てはまっている点はありましたか?
浪人1年の過ごし方次第で、あなたの今後は大きく変わるでしょう。
後悔しない浪人生活を過ごしましょう。
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