私は受験現役時代に、筑波大学医学群医学類の推薦入試を受けました。
結果は不合格でしたが、「不合格だったから」という理由以外に、推薦入試を受けなければよかったと後悔している点があります。
本記事では、
- 医学部の秋入試に失敗してしまった理由
- 秋入試に向いている受験生
について紹介します。
<特に読んでいただきたい方>
- 筑波大学医学群医学類推薦入試を考えている受験生
- 医学部の秋入試(防衛医科大も含む)を考えている受験生
- 医学部志望生
筑波大学医学群医学科推薦入試 概要
医学部の中には、秋から冬(年内)にかけて推薦入試を行う大学がいくつかあります。
旭川医科大学、弘前大学、東北大学、群馬大学……などなど
また、防衛医科大学校の入試も10月末から始まります。
筑波大学医学群医学類の推薦入試は、11月末に行われ、合格発表は12月10日前後です。
私が受けた年は一般枠の定員が39名(現在44名)で倍率は4.5倍ほど。医学部の受験と考えればそう高くもないでしょう。
推薦枠は各校過去の3年間の筑波大学医学群医学科進学者数から決められ(※)、私の学校の推薦枠は1名でした。
科目は面接と小論文でしたが、小論文とは名ばかりで、実際には英語・数学・理科の学力試験です。(現在「適性試験」が科目に加わっています。)

参考 2022年度 【筑波大学『令和4年度 入学者選抜要項』より】
- 推薦枠:過去3年間の筑波大学医学群医学類入学者数が①0~1名→1名 ②2名→2名 ③3名以上→3名
- 選抜方法 共通テスト、個別学力試験は免除
- 出願期間 令和3年11月1日~8日
- 選抜期日 令和3年11月29日、30日
- 合格発表 令和3年12月13日
- 採点・評価① 小論文:英語(読解力・作文力)、数学、理科(物理学・化学・生物学のうち2科目)の総合的学力を測定するとともに、論理的思考力、表現力を評価)
- 採点・評価② 適性試験:筆記試験により、適応力や学習意欲、人間性などを評価
- 採点・評価③ 面接:個別面接により、医学を志向する動機、修学の継続力、適性、感性、社会的適応力など総合的な人間性について評価
受験を後悔している理由
試験範囲に未習分野が含まれていた
私は現役生の時に推薦入試を受けたため、入試のある11月には物理・化学でまだ習っていない分野がありました。
その未習分野は、試験範囲に含まれるどころか頻出分野だったため、自分で授業の先取りして勉強をしなくてはなりませんでした。
しかし、私は当時理科が苦手でしたので、授業についていくだけで精一杯。苦手分野を自分で先取りするなど土台無理な話だったのです。
なんとか自力で頑張ってみたものの、難しい問題が解けるようなレベルに達することもできずに試験日を迎えることになりました。
塾・学校の授業が後回しになった
私が推薦入試の準備をしている期間も、塾や学校では通常通り授業がすすめられます。
つまり私は
- 未習分野を自力で勉強する
- 筑波大学の過去問を解く
- 授業で新しいことを学ぶ
- 予習復習をする
を同時に行わなくてはなりませんでした。
完全にキャパオーバーです。
そして優先順位をつけた結果、授業の予習復習が最下位となり、本来その期間に学ぶはずだったことを定着させることができませんた。
センター試験の準備が遅れた
これは私自身の心の弱さに起因しています。
推薦入試の合格発表は12月10日くらいでした。入試実施日からおおよそ2週間後。
この期間、私は全く勉強が手につきませんでした。
入試の手ごたえはほどほどでしたが、「あわよくば」と期待してソワソワしてしまったのです。
不合格の結果を受け取り、私の期待は散ったことに落ち込んでしまい数日後。すでに12月の半ば。
その時になってようやく、「あれ?センター試験まで1カ月切ってない?」と気づきました。

時すでに遅し…
私は自分の2次力にそこまで自信がなかったので、センター試験で高得点を取らなければなりませんでした。
しかし、推薦入試の結果に気を取られて、センター試験の準備が遅れてしまったのです。
勉強計画が完全に狂った

上3つの結果として、勉強計画が完全に狂いました。
まず、10月、11月に通常授業で勉強していた内容(磁気、原子物理、有機化学)は、自力で先取りしたため、中途半端にしか理解できていませんでした。
そのあとに挽回する時間もありませんでした。
そして私にとって一番大切だったセンター試験は、対策の開始時期が致命的に遅れ、結果的に81%…
泣く泣く第一志望校を第一志望校を諦めることになり、後期は医学部に出願すらできませんでした。

私の甘さが招いた結果ではありますが、それでも「あそこからすべてが狂った」と思ってしまうのです。
当時友達とちょっと気まずくなった
勉強とは関係ない話です。
高校で仲が良く、選択科目の時に一緒に行動している友達も、国立医学部志望でした。
彼女も筑波大学の推薦入試を考えているのはなんとなく伝わってきていました。そして彼女も私が筑波の推薦入試を考えてると分かっていたでしょう。
しかし、私の高校の推薦枠は1名。
直接訪ねることもできず腹の探り合いになってしまい、推薦が決まる前も決まった後も非常に気まずい思いをしていました。
秋入試に向いている人
第一志望校
推薦校が第一志望校の場合は、推薦入試に挑戦してみる価値は十分にあります。
第一志望校に関しては、チャンスは多ければ多いほど良いですから。
ただ、その場合は、推薦してもらえることが決まる前から、推薦入試を受ける前提での勉強計画を立てましょう。
注意
医学部の推薦入試は、国公立大・私立大いずれも専願である場合がほとんどです。(併願不可)
したがって、推薦入試で合格したのならば、その大学に入学しなくてはなりません。
ですから、推薦入試を実施する大学が第一志望校の場合はぜひ推薦入試を受験すると良いのですが、第一志望校が別に定まっている場合はよく考える必要があります。
試験範囲はすべて終えている
自力で未習範囲をある程度理解することはできても、難しい問題を解けるレベルまで習熟するのは困難です。
もし、秋に受けたい大学がある場合は、夏期講習などを利用して未習分野を埋めておく必要があります。

推薦入試に学力試験がない場合も、試験範囲を終わらせておくことが望ましいです。もし試験範囲を終えていない状態で推薦入試が不合格だった場合、他の受験生に後れを取ってしまうことになります。
合格発表に左右されない
合格発表前にソワソワしたり、不合格だった場合に落ち込むことは誰にでもあるでしょう。
しかし、その気持ちの浮き沈みが勉強に支障をきたすようならば、秋の入試は受けずに1月・2月の受験勉強に集中したほうが良いです。
自分の性格は分かっているでしょう?
もし秋の入試を受けたいのならば、自分を律することができるのか考えてみてください。
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以上、私の現役時代の後悔についてでした。
合格のチャンスを増やすために推薦入試を受けることにしたはずなのに、結局のところ何もかもが中途半端に終わってしまいました。
これから推薦入試、あるいは秋の入試を受けようと思っている方は、結果がどうであれ自分の受験生活にプラスになるように行動しましょう。
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